地方公務員として働きながらの3回目の受験で、平成27年の司法試験予備試験に最終合格しました。
早速、平成28年の司法試験を、社会人受験生として受験。何とか合格しました。
参考になればと思い、勉強方法や、論文試験、口述試験の再現などをアップしていこうかと思います。
自分の経験、体験が、時間の経過により陳腐化したと感じた時点で閉鎖します。
地方自治体主査の司法試験への挑戦(H27予備試験合格、H28司法試験合格、71期司法修習生):2018年11月

2018年11月

2018年11月23日

司法試験・予備試験に関する大半の記事を閉鎖します

二回試験も終わり、実質的に司法修習の全課程を修了しました(12月12日までは司法修習生の身分は残るので、まだ修習中ではあります。)。

司法修習に関しては、修習生それぞれの立場から色々な感想があるでしょうし、私自身、個別の分野、事項には思うところも多々ありますが、それも含め、総論としては司法修習というものを経験できたのは非常に良かったです。
例えば、司法修習を受けず、自治体で例規審査、訟務、審理員(審査請求)などの仕事を7年間(弁護士資格認定制度を想定)して、同じ知識・経験が身に付いたかと聞かれると、それはまずないだろうと思います。
それに、これらの仕事はいつでもできますが、司法修習というのは一生で1回、1年間だけです(途中で罷免されれば別ですが。)。極端な話、人生で思い残すことがなくなりました。

修習に関しては、これからの暇な時間を利用して、起案や講義、和光での生活のことなどを、自分の備忘録も兼ねて、いくつか記事にしようと思います。
起案は、教官が全員に手取り足取り教えてくれるわけではない(不親切ではなく、それは教官の立場からして無理だと思う。)ですが、いきなり導入修習で答案を書かされます。講義で教官が出題範囲(というか、ほぼ答え)を言ってくれますが、それは今となってはという結果論的な側面もあり、なかなかそれに気付きづらいという感もあります。実務修習中や集合修習で下位の成績を取らないことは精神衛生上も良いと思うので、少しずつ、対策というか、傾向を頭に入れておくべきだと思います。なので、これから司法修習を受ける方には有益な記事が書けると思います。
また、司法研修所周辺のよく行っていた飲食店なども2、3軒、ありました。集合修習では、導入修習時と比べ、随分と気持ち的に余裕もあったので、同期の修習生と飯を食いに寮の外に出る機会も多かったです。

さて、前置きが非常に長くなりましたが、題名のとおりです。11月25日を目処に、試験関係の大半の記事を閉めます。

司法試験・予備試験は、社会の流れ、制度の改正に伴い、年々変化していくものです。私が予備試験の受験を決意して、勉強を始めてから、もう5年以上経ちました。個別の答案添削には、まだまだ出題趣旨や解説を読みながら対応可能とはいうものの、試験勉強一般を語るには、私の知識・経験は、古過ぎると思います。

また、私は、修習を終えて、いよいよ法曹、実務家として社会に出て行くことになります。ここら辺で過去の記事を整理して、また新しい方向性でこのブログを運営していこうかなという気持ちもあります。
ブログ自体の閉鎖も考えましたが…このブログを通じて、意外と多くの方々(日本全国の方々)とつながることができました。これは、私にとって、全く想定外の幸運でした。司法修習を乗り切ることができたのも、こういった人のつながりによるところが非常に大きかったです。
今後も、そのような方々とのつながりがさらに広がっていくことを期待して、このブログ自体は出来る限り継続しようと思います。

2018年11月22日

法科大学院在学中の司法試験受験について(10月5日読売新聞朝刊より)

少し前のことになりますが、10月5日(金)の読売新聞朝刊に法科大学院在学中の司法試験受験を認めるという方向性であることが報じられました。

うーん、迷走しているなぁ、という印象しかないです。二回試験を終えたばかりの私なんぞが申し上げるのは大変失礼ですが、制度設計にポリシーが全く感じられません。記事では色々と書いていましたが、要は入学者を確保したいということで、「法科大学院制度を保護することを目的としている」以外に説明がつくのでしょうか。

まず、予備試験との棲み分けは、どうするんでしょうね。予備試験にさえ合格すれば法科大学院在学中でも大学在学中でも司法試験を受験できるので、実力と努力次第で、現行制度でも十分に早く法曹になれますが。

また、法科大学院在学中に司法試験の受験勉強をすることが大前提になるので(さすがに受験対策をせずに受験しろ、とは言えないでしょうから…)、そもそも、法科大学院側の予備試験制度を批判する論拠である「教育プロセス」が骨抜きになってしまうのは間違いない、とも思うのですが。
予備試験経由者ほどではないにしても、これと同様の「(法科大学院側の言う)弊害」が生じそうです。

※ちなみに、司法修習の開始時期を4月にするのは、賛成です。司法修習の12月開始って、有職社会人受験生が眼中にないことを自白しているようなものと感じていました。

実は、司法修習を受けてみて、法科大学院教育も捨てたものではないのではないか、と思っていました。いわゆる上位ローの学生は、極めて優秀です(法科大学院教育との因果関係がどこまであるかは不明な部分もありますが。)。実務の詳しい中身まで知っていて、どこで勉強したの、と聞くと、ローで習った、ということでした。また、そもそも法科大学院在学中に予備試験受験を考えていなかった司法修習生もいて、「法科大学院で受けた教育は良かった。予備抜けは全く考えなかった。」と言っていました(優秀な子でした。)。

司法修習生の中で、予備試験合格者は一目置いてくれはしますが、私の実感としては、予備試験合格だけを目指すのであればもっと多くの法科大学院生(上位ロー)が予備試験に合格できるレベルなのではないかと本当に思います。 

私は、法科大学院への入学者数を回復させたいなら、小手先の制度改正ではなく、本当に質のいい教育を行うような仕組みを考えることに尽きると思います。そして、その教育を受けて法曹になったOB、OGが、法科大学院って通う価値があるところだよ、って後輩に話せる、そういう流れを作っていくことが大事なんじゃないかと思います。法曹養成制度なんて、国政課題の中で、一般的な国民の関心は低い方から数えた方が早い、要はほとんど興味はないに決まってますから、法曹関係者に多くのファンを作って行く、そういう地道な活動を続けることが求められていると思います。

実際、現役の多くの弁護士の方は、本音ではロー不要だと思ってあると修習中に感じました。また、ロー出身の司法修習生の中には、ローの教育なんて意味がない、受験資格をもらいに行くところだと明言している子も相当数いたわけで、こういう層に価値を認めさせる方策が必要なのではないかと思います。

縷々述べてきましたが、この記事を見て、私は、思わず吹き出しそうになるくらいの滑稽さを感じてしまったのでした。これでは、仮に私が法曹志望者から相談を受けても、相談者が社会人、学生にかかわらず、とりあえず予備試験を目指してみたら?、リスクないから、としか言えんなぁと思いました。

※以上のとおり、司法修習のカリキュラムを一通り終えて、私は、法科大学院(上位ロー)に存在意義は一応ある、と思うに至りました。私は、現行制度の一番大きな問題は、ローに入学しても法曹資格を得ることができない人数(脱落して中退、受験資格の失権)が、掛けたコストに対してあまりに多すぎるということではないかと思っています(合格者を増やせ、というわけではありません。)。
これについては、機会があれば、また記事にしてみたいと思います。

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