地方公務員として働きながらの3回目の受験で、平成27年の司法試験予備試験に最終合格しました。
早速、平成28年の司法試験を、社会人受験生として受験。何とか合格しました。
参考になればと思い、勉強方法や、論文試験、口述試験の再現などをアップしていこうかと思います。
自分の経験、体験が、時間の経過により陳腐化したと感じた時点で閉鎖します。
地方自治体主査の司法試験への挑戦(H27予備試験合格、H28司法試験合格、71期司法修習生):2017年01月

2017年01月

2017年01月23日

【司法試験・予備試験】有職社会人受験生で良かったこと、悪かったこと

予備試験の願書受付が始まりましたね!受付は、27日(金)までのようですので、出願される方は、お忘れなく。

私は、有職社会人受験生として、予備試験、司法試験を目指して勉強していました。本ブログをご覧になっている方で、今回、出願される方の中にも、同じカテゴリの方は多くいらっしゃるのではないかと思います。

何に関してもそうですが、有職社会人受験生にも、良い面、悪い面があると思います。


私の実体験に基づく感想として、まず、悪い面から。

何といっても、勉強時間の確保です。圧倒的に不利です。どんなに頑張っても、平日は、4時間程度が限度と思います。一方、専業受験生は、その2〜3倍は勉強しているでしょう。ある程度は勉強時間を確保しないと合格は難しい試験である以上、この点の克服(工夫)は、不可欠だと思います。

もっとも、勉強時間で全てが決まるのかと言うと、そうでもないのかな、とも思います。仮に、勉強時間で予備試験合格の全てが決まるのであれば、合格者カテゴリの中で無職者の合格率は、もっと高くてもいいはずです。

次に、周りに受験生であるということを宣言しづらいということも、デメリットではないでしょうか。資格の種類にもよりますが、司法試験合格=退職・転職というのが一般的な社会通念だと思いますので、職場の人にいい思いをされることは少ないのではないでしょうか。上司に、職場を抜けたがっているというようにも思われかねないですし、妬み(足の引っ張り)もあり得ると思います。また、周りの同僚から見ても、そんな余力があるならもっと仕事してよね、というようなこと思われる可能性もあるでしょう。

私は、受験を打ち明けた場合の反応として「無関心」、「無干渉」という部類は、むしろ極めて好意的な反応というように受け止めた方がいい、というくらいとの認識のもと、受験していることは職場の人には秘密にしていました。

また、このことから、有職社会人受験生は、どうしても孤独な受験生活を送りがちで、受験上の情報も不足してしまう傾向にあるように思います。

最後に、上記2つの悪い点が影響してのことかと思いますが、著しく低い合格率という結果です。まあ、これは結果論ですが、会社員、公務員カテゴリにおける予備試験の最終合格率は、対出願者数で1パーセント程度です。一方、法科大学院生は8パーセント程度、大学生は5パーセント程度です。

ただし、無職カテゴリも1パーセント程度なので、合格率の差は、有職・無職というよりも、年齢や受験経験年数(要は、若さ)も強く関係していると思われます。


次に、良い面を。

まず、精神的安定感が挙げられます。「学生でもないのに、勉強以外にすることがない」という状況は、精神衛生上、大変よろしくないと想像できます。私は、これまでの人生で、ほんの数か月だけだったのですが、経験があります。ロー入試失敗後、公務員試験に合格するまでの、二十代前半の数か月ですが、社会に取り残されたような、大袈裟ですが自分の人生が終わってしまったような気分になりました。

しかし、仕事をしていれば、嫌でも社会とつながっておくことができます。辞めたくなる時もありますけどね。

次に、勉強にメリハリがつく、という面もあると思います。

常に1年中、勉強できないほどの激務であれば困りますが、仕事の時間、勉強の時間と、メリハリをつけることができました。

また、失われるものがない(少ない)ということも考えられます。

仕事をしていれば、そこでキャリアを積むことができます。一方、予備試験、司法試験の勉強に費やしたお金や時間は、自己啓発の一環として、まあ、全く無駄になることはないのではないかと思います(合格しなければ意味はない、と考えるかどうかによる。)。


以上です。

このように、有職社会人受験生は、仕事との両立、勉強時間の確保という物理的な面の克服が不可欠で、大変ですが、全ての面において悪いことばかりではないと感じました。 

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